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理事長の挨拶「本を上梓する」といいますが、梓会の名前は版木に使われた「あずさ」の木にちなんでいます。出版梓会は絵本から実用書・人文書・事典図鑑まで、ユニークな本を丁寧に作り届ける中小専門出版社107社の集まりです。 メインの事業「梓会出版文化賞・新聞社学芸文化賞」では、すぐれた本を刊行した出版社の出版活動を褒賞しています。本を生み出し読者に届ける出版は人を夢中にさせる仕事ですが、経営は押しなべて苦労が多いものです。「出版社を励まし元気づけたい」という業界唯一の賞と覚えていただければ幸いです。 いま書店流通など出版をとりまく環境が激変、紙の本を持たないなど読者の価値観・嗜好・ライフスタイルの個別多様化が急速に進んでいます。しかし本は一過性の情報ではなく、一冊の「本」には著者と編集者の心が入っており、その集積こそが文化であり歴史です。本は個別の、その本ならではの価値を持つもので、社の大小に関わらず出版社がいつでも胸襟を開いて情報を交換し合うのは、文化をともに作っている出版人同志の自負とリスペクトからでしょう。 「出版梓会」にはそうしたフェアで自由な空気があります。いま、欲しい読者に本が出たことをどう知らせて届けるのか?変化の時代を乗り切る知恵を共有すべく、各種委員会で活発に活動を展開しています。例えば「このあいだ旗揚げしたあの店は?」、「新しく提案されたあのシステムは?」などに応える「研修会」を多く開催。「巡回セミナー」では各地の書店と図書館のキイマンと直接語り合い、人脈を拡げています。会員社の皆さまも是非委員会や研修会にご参加ください。 「出版梓会」は昨年創立75周年を迎えました。理事会には、老舗に加えて変わりゆく出版界で新しいやり方にチャレンジしている会社も加わりました。他社のやりかたを聴くだけでも前に進む希望が湧くというものです。 何より出版には夢がある! その心持ちを大切に、本の世界を豊かにする会にできればと願っています。 一般社団法人出版梓会 理事長 下中美都 (2024年1月18日) |